2017.10.25 個人事業主と法人の違いとは?
創業の際の事業形態としては、個人事業主か法人かを選択することができます。
どちらを選ぶかは、事業規模や業種、将来をどう見込んでいるかなどによって異なってきます。
今回は、個人事業主と法人の違い、メリットやデメリットについてお伝えします。
<個人事業主>
個人事業主とは
個人事業主とはその名のとおり、経営者が個人として事業を行うことです。
税務署に開業届を提出することで事業主となることができます。
個人事業主のメリット
・設立に係る手続きが簡単
・事業内容をいつでも変更することができる
・いつでも廃業することができる
・従業員が5人未満であれば社会保険に加入しなくてもよいため、従業員の社会保険料に係る事業主の負担が少ない
個人事業主のデメリット
・法人に比べて社会的信用力が低い
・家族を雇用する場合には、専従者給与としてその給与の取り扱いについて一定の制限を受ける
・青色申告を行い損失が発生した場合の税金面での繰越控除が3年間であり、法人に比べ短い
・所得税は所得が高くなるほど税率が上がる超過累進税率を採用しているため、利益が増えた場合には法人より納税額が多くなる
<法人>
法人とは
法人とは、設立登記などの一定の手続きにより法人格を得て事業を行うことです。
設立にあたり様々な届け出等が必要になります。
法人のメリット
・個人事業主に比べて社会的信用力が高く、資金調達や取引開始に有利になることがある
・家族を雇用する場合には、他の従業員と同じように給与を支給することができる
・青色申告を行い損失が発生した場合の税金面での繰越控除が9年間であり、個人事業主に比べ長い
・法人税は一定率をかける方法で計算されるので、利益が増えた場合には個人事業主より納税額を少なくすることができる
法人のデメリット
・設立にあたり登記などが必要となるため、手続きに手間や費用がかかる
・事業内容の変更や廃業をする場合には一定の手続きが必要になる
・規模や業種に関係なくすべての法人が社会保険の加入対象となるため、従業員の社会保険料に係る事業主の負担が発生する
手軽に創業できるのは個人事業主ですが、業種によっては法人でないと信用力の面から取引先の開拓に支障が出ることなどもあるようです。
ご自身の創業される業種の特性や利益の予想などをもとに、どちらの形態で創業するか検討されることをおすすめします。